ひきつけについて

ひきつけ、けいれん、発作、などいろいろな言い方がされますが、意味は同じで、突然に意識を失い、体の自由がきかなくなる状態のことをいいます。意識は完全になくなるものから、ボーッとする程度のものなど様々で、体のほうも突然ひっくり返って手足がガクガクするものや、動作が数秒止まるものなど個々でちがいます。

"ひきつけ"というのはひとつの症状であり病名ではありません。原因はたくさん考えられます。熱性けいれん、てんかん、髄膜炎、脳炎、頭部外傷、脳血管の病気などなど。たとえば風邪をひいた時に熱が出ますが、熱は咳やハナミズなどいろいろな症状のひとつで、ほかの原因でも熱がでるように、ひきつけという症状をもつ病気はイコールてんかんだけではありません。ですから、はじめてひきつけた場合はいろいろな検査が必要であり、原因をつきとめなければなりません。病気によってその後の治療が異なってくるからです。

さて、ここではひきつけた時の対処の仕方について述べたいと思います。だれでもはじめてひきつけたところを見たらびっくりするし、あわてるなといわれても無理な相談かもしれません。でもまずは「あわてるな」です。落ち着いてください。そして口の中に指やタオル、箸など入れないでください。舌を咬むことはないので、そういったものを入れるのはかえって危険です(発作の開始時に咬んでしまうことは稀にありますが、最中にはありません)。衣服をゆるめて楽な姿勢でねかせます。吐いた物をのむと窒息していしまうので体ごと横向きにします。そして余裕があったら時間をはかってください。さらに手足を突っ張っていたとかガクガクしていたとか目は上を向いていたとか、左右でちがいはなかったかなど様子をよくみてください。

熱性けいれんではほとんどのひきつけは数分で止まり命にかかわることはまずないのですが、5分10分と長引く場合はほかの病気が原因かもしれません。指示を仰いでください。

ひきつけが30分以上続くとけいれん重積といい緊急な治療が必要です。けいれん重積の原因としてはてんかんが多く、急性脳症、脳炎、髄膜炎がそれに次ぎます。ジアゼパムなどの静脈内投与や全身の管理が必要です。まずはけいれんを止めて、原因となった病気の治療を並行して行います。




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