おねしょの防水対策

Q:
 小学校5年生になる、次女のおねしょについてご相談します。次女は自閉的傾向のある軽度知的障害と診断されており、特別支援学級に在籍していますが、周囲に迷惑をかけるような行動が少ないため、毎日半分程度の時間を通常学級で過ごしています。宿泊行事も通常学級の一員として参加できることになったのですが、本人はおねしょが続いていることもあり、不安なようです。
 2年前から通院中で、量はそれほどでもなくなってきましたが、いまも週半分以上はおねしょをしています。がんばれば何とかなるとは思っていませんが、できれば楽しく、行事に参加させてやりたいと考えております。何かいい対応策をご教示ください。

A:
 ご相談ありがとうございます。「おねしょ」の総論に関しては、王子クリニックHP 薬と医療ミニコラム 夜尿症についてに掲載しておりますので是非ご参照ください。今回は、宿泊対策を具体的にお伝えいたします。
 まず、普段の防水対策からお話しします。おねしょでシーツや布団まで漏れてしまう時というのは、尿量が多い場合だけでなく、防水パンツ・ズボンや、紙おむつの防水部に溜まった尿が、体動で外に押し出されることも一因です。
 そこで開発されたのが「おねしょガードズボン※」(以下「ガードズボン」)。2枚仕立てになっていて、内側がパイル地で吸水、表地が防水素材で、通気性があるジャージ風の長ズボン(ハーフパンツもあります)です。内側のパイル地部分が足元まであるのでかなりの吸収が可能です。

 そのため、尿量や、本人の好みに応じて
  ①防水パンツ
  ②普通のパンツに尿パッド
  ③紙おむつ(ジュニア用は成人用SSサイズあり)
 とガードズボンの組み合わせで、概ね布団まで漏れることはありません。
 ただし、男児の場合は、排尿の方向が体動で変化して、おなか周りから漏れることがあります。その場合は、
  ④「両面吸収シート」という介護用尿パッド(防水布がない全面吸収ですので肌触りがよい)をおなか周りに装着。
  ⑤「腹巻パンツ」というおへその上まであるパンツをウエスト漏れの「吸収体」として利用。
  ⑥ガード長ズボンの中におねしょガードハーフパンツを履く。
 等の方法があります。

 パジャマの上着のすそをズボンの中に入れると、そこからおなかや背中に漏れますので、すそは外に出してください。ガードズボンは、おむつ着用を考慮して股上丈長く、おなか周りが大きめになっていますが、おなかの冷えが気になるときは、腹巻を着用します。ただし、寝入りばなは体温が上昇して暑がり、眠りにくくなったり、汗であとから体が冷えてしまったりするので、本人が寝て1~2時間経ったころにお家の方が足元から腹巻をつけてあげてください★。

宿泊行事でのおねしょ対策

 「友だちに防水対策をしていることをわからないにようにする」ことが原則です。気にしていないようにみえても、とても気にしています。高学年になると、本人が先生にも内緒にしたいと望むこともあります。また、夜中に起こしてもらっても、その後に出てしまったケースや、起こしてもらったことを友だちが知って噂になってしまったというケースもあり、筆者は、先生に起こしてもらうことをお勧めしていません。
 上記の防水対策をもとに、お子さんの希望を取り入れて検討していきます。

先生と連携がとれるとき

 入浴後の脱衣所では、普通のパンツ、ガードズボンを履きます。寝る前に先生の所に「アレルギー性鼻炎の薬を飲む」とか「点鼻をする」などの理由で行き、予め預けておいた防水パンツまたは紙おむつに履き替えます。翌朝はまた先生のところで普通のパンツに履き替えます。

ひとりで対応するとき

 少量吸収タイプの防水パンツは内面も濃い色になっているので、着替え時に友だちに気づかれにくいです。時々多量の漏れになるので心配というときは、寝る前にトイレで尿パッドを着けます。翌朝のパッドの処理も含めて、何回か練習が必要です。普通のパンツにガードズボンだけですと排尿時の多量の尿をすばやく全部吸収することはできません。
 高学年女子では「生理準備のため」という理由でサニタリーショーツ夜用を使います。ただし、生理用ナプキンでなく、尿失禁用パッドを用いるのでパッケージの配慮が必要です。

最後に

 「おねしょ」は本人の意思とは関係なくおこります。排尿機能や、睡眠リズムに伴って分泌される抗利尿ホルモンや成長ホルモンなど各種ホルモンのバランスがうまく保たれるようになると少しずつ卒業に向かいます。また、便秘や鼻炎、冷え、不安など様々な要因が複雑にかかわっていますので、卒業の個人差が大きく、兄弟でも下の子が先に卒業することがよくあります。しつけのせいでも本人のせいでもありません!
 みんな「おねしょをしませんように」と思って眠りについています。しかし、水分を寝る前に控えても、翌朝出ていたり、逆に沢山飲んだから明日は出ているなと思って寝たらなかったということが多々あります。ですから、おねしょがないことを褒められてもうれしくないのです。「いつもどおりにしているのに何で褒められたかわからない!」と怒ったお子さんもいます。そのため筆者はわかりやすい膀胱(おしっこを溜める場所)のイメージとして、
「下半身を温めたり、褒めたり(心を温める)するとゆったり広がって安定します。」と説明しています。
 そして、1防水対策、2冷え対策(おなかが冷えると腎臓で尿を作ってしまったり、膀胱が不安定になったりするため。★の方法で腹巻やレッグウオーマーを用いて下半身を温める)、3寝る前にトイレに行ったことを褒め、4ハグしたり、握手したり(本人の好む方法)して、心と膀胱を温め、さらに、5「おねしょじゃんじゃんしていいからね!」と安心を伝え、楽しい睡眠に導いてください!
 筆者は20年以上前から寝る前の「おねしょじゃんじゃん!」を提唱して、絵本にしています。「おねしょをしてはいけない」という呪縛を解いて「じゃんじゃんしよう!」と180度の発想転換をするためにはご家族全員の理解と協力が必要です。
 お子さんは、お母さんの不安を十分にわかっています。ぜひ宿泊のプラス情報を沢山教えて、親子で心待ちにしていただけましたら、筆者もとてもうれしいです。

 ※小学生以上のおねしょ対策用品専門店「おねしょバイバイhttp://onesyo-bye2.com

公益社団法人 発達協会王子クリニック 竹内紀子(非常勤)